第68回選手権 準々決勝

TEAM

 

TOTAL

鹿児島商

 

東洋大姫路   (兵庫)

 

【コメント】
長谷川投手(現、マリナーズ)、島尾投手(阪神)の2枚看板を要する東洋大姫路と中原を要する鹿児島商の対決。長谷川投手は今と変わらず投げる瞬間に顎を突き出す独特の投げ方。中原投手は肩の開きが早いながら、腕の出が遅くて打ちづらいフォームでした。試合は1点を守る好試合。最後は一瞬の判断、守備力が明暗を分けた試合でした。
【資料概要】
制作 NHK、実況:島村俊治氏、解説:礒野伸也氏
【試合概略】

1回表、鹿児島商は先頭:小村が初球二ゴロも、この大会11打数1安打と当たりのない池田が真ん中低めのストレートをうまくレフトオーバーに流し二塁打。しかし、続く3、4番が中飛でチェンジ。

1回裏、東洋は1番:岡本(159センチ)、2番:野口(167センチ)の小柄ながら足が速くいやらしい核弾頭コンビ。岡本は粘り四球で出塁、次打者初球に盗塁後、野口が送り三進。このチャンスに山本が初球スクイズをミスするも、続けざまにスクイズ敢行。高めの球で飛球が中原の横に飛び、ハッとしたものの成功し、東洋先制。


2回表、先頭打者:宮園に四球。犠打で1死二塁とするも、7番:坂本の投ゴロで2走宮園が飛び出し挟殺で、後続も続かずチェンジ。

2回裏、2死後、1年生の大崎が中前に弾き返すも、中原の牽制に刺されチェンジ。


3回表、先頭の中原が四球で出塁。犠打と二ゴロで3進後、死球で2死1,3塁。ここで鹿商の背番号13の4番:折田が広く開いた三遊間をゴロで破り同点とする。

3回裏、8番:松葉からの攻撃、中原の真ん中高めスライダーを叩いた鋭い打球はセンター前に。センター小村がダイビングを試みるも捕球できずボールはフェンスへ達する二塁打。続く杉がサード前に上手く転がし1死三塁とし1番岡本へ。しかし、岡本は遊ゴロ、二番野口が左飛で無得点。


4回表、先頭の6番:浜田が中前に抜けるヒット。取れると思った長谷川が悔しがる。7番坂本がスリーバントを決め1死2塁。後続の川端、中原が凡退し、チェンジ。

4回裏、3番:山本から、1死後4番:山口が外角カーブを上手く右中間に運び1死一塁も後続が断たれ無得点。


5回表、1番:小村からの攻撃。外角の速球に空振り三振、1死。長谷川はこの三振がこの試合初。2番池田が長谷川の横をバウンドして抜く中前ヒット。しかし、右飛と盗塁死でチェンジ。

5回裏、1年生大崎から真ん中高めのシュート回転の投球を叩くと、打球は強烈な浜風にのるが、フェンス一歩手間前で捕球される。後続も内野ゴロ、三振でチェンジ。


6回表、折田からの打順も三者凡退。長谷川の投球に伸びが感じられる回でした。

6回裏、1番:岡本が二ゴロ。2番:野口がセーフィティーバント。中原が素手で拾い上げ一塁に送球もワンバンドになり一塁手が取れずセーフ。しかし、野口がインフィールドに入り、次の塁を狙う意志を表示し、カバーした二塁手から素早くボールが一塁手に渡り、帰塁前にタッチされアウト。鹿商:一塁手 折田のナイス判断でした。


7回表、坂元からの攻撃。打球は三遊間も一年生大崎がダイビングキャッチし、一塁に送球し1死。8番:川畑は長谷川の鋭く曲がり落ちるカーブを上手く叩き、レフト線に2塁打。しかし、中原が遊ゴロで2死2塁。ここで前の試合(前橋商)で代打でヒット、2打点を挙げた永井が代打も、止めたバットにボールが当たり三ゴロ、チェンジ。

7回裏、4番:山口からの攻撃。山口は中原の速球に押され、捕邪飛。後続も三ゴロ、三振でチェンジ。中原はこの回5球。


8回表、この日当たってる2番池田から。3本目のヒットとなる中前のヒットで出塁。内角高めのストレートを上手く押しつけてショート横をライナーで抜ける。3番徳永がバント失敗後の2球目にバスターから強行もショートゴロ。併殺は免れ1死一塁。ここで折田は1ボールからセーフティー気味に送り、2死二塁。5番宮園の2球目に捕手が後逸、一気に2塁から徳永が生還し、2−1。後逸したのはサイン違いでしょうか?外角低めのストレートでミットに触らずに審判の右足の靴?内側に当たり、ボールがバックネットではなくて三塁ベンチ近くに転がったのが長谷川にとってもアンラッキーでした。ベースカバーに入った長谷川にいい返球がきてればアウトだったと思われるタイミングだったので残念なプレーでした。

8回裏、大崎からの攻撃。一死後、松葉が素晴らしい当たりを右前に弾き返すが右翼手:宮園が素晴らしいダッシュで一塁に返球し、ライトゴロ。松葉が一塁ベースまで1m手前でアウトになりました。


9回表、この回先頭の浜田が初球を1,2塁間に緩い当たりを放つ。2塁手が追いつくも一塁に高投し、内野安打。犠打で2進後、2死二塁から9番:中原が外角の低めカーブを執念で中前に弾き返し3−1と引き離す。勝ちたいという中原の執念が感じられる一打でした。ここで東洋は長谷川から島尾に交代も、途中から出場の桑原に1,2塁間をしぶとく破られ、2死1,2塁。ここでこの試合3安打の池田登場も、島尾がストレートで強気に押して、最後は真ん中低めに落ちるフォークボールで3振を奪いチェンジ

9回裏、一番:岡本から初球をレフト線に弾き返すがレフトがライン際フェンス前で捕球し、無死一塁。2番:野口の時ヒットエンドランも遊ゴロで1死、2塁。続く3番:山本が内角速球を右前に詰まりながら落とし、1死1,3塁。山本は4番:山口の時、盗塁し、1死2,3塁とするも、山口の二ゴロの時に塁を飛び出して、山口一塁アウトの後に、2塁に送球され帰塁しきれずタッチアウトでゲームセット。山本としては高くバウンドしたゴロだったので当然、走者は進塁すると思ったんでしょうけど、3走の岡本選手に関しては本塁憤死で1,3塁となり、得点圏の走者が減ることを避けたんでしょうね。ゲームは感覚じゃなくて状況把握が大事だと考えさせられた試合でした。

【エピソード】 
鹿商は151人の部員を抱える大所帯。その中の1年生の控え:大野選手ですが、子供の頃に交通事故に遭い、当時も片足が思うように動かない状態でしたが、鹿商で野球がしたくて入部。草むしり・球拾い・ノックとハンディを超えて頑張る姿に鹿商メンバーが闘志をふるい立たされたそうです。

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